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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいふうのこ

台風の子

小川 未明

Lesen Sie 台風の子 (たいふうのこ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.662 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

」

源吉は、風の音をききながら、新聞を見ていた兄に話しかけました。

「そんな家は飛んでしまうだろう。この家の屋根だって飛ぶかもしれないぞ。」

「風速三十メートルって、どんなかな。」

「白瀬大尉や、アムンゼンや、シャツルトンらの探検した南極や、北極には、いつも三十メートル以上の暴風が吹いているそうだ。その氷原へ探検隊は、自分たちの国旗をたてたんだ。すると旗が、すぐにちぎれたというから、それだけでも風の烈しさがわかるのだ。」

オーロラの怪光が彩る北極、ペンギン鳥のいる南極、そこは、ふだん人間の住む影を見ない。ただ真っ白な荒寥とした鉛色に光る氷の波濤が起伏していて昼夜の区別なく、春夏秋冬なく、ひっきりなしに暴風の吹いている光景が目に浮かぶのでした。

「生きているのは、台風だけでない。この世界が生きているのだ!」と、源吉は、心で叫びました。

果たして、真夜中のこと、ぶつかる風のために、家がぐらぐらと地震のように揺れるのでした。風は東南から、吹きつけるのでした。電燈は二、三度明滅したが、線が切断されたとみえて、まったく消えてしまった。裏の大きな桜と、かしの木のほえる音が、闇のうちで死にもの狂いに戦っている獣のうなり声を想像させました。