Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
怪しんでいる伝六をしりめにかけたまま、ずかずかとそれなる家へはいってゆきながら、不意に横柄な口調で尋ねました。
「亭主はいるか」
「へえい、ここにひとりおります」
「ひとりおればたくさんだ。きさまが看板主の久庵か」
「へえい、さようで」
「でも、目があいているな」
「目あきじゃ按摩をしてならぬというご法度でもあるんですか」
「へらず口をたたくやつじゃな。わしは八丁堀の者じゃ。隠しだてをすると身のためにならぬから、よく心して申すがよいぞ」
「あッ、そうでござんしたか。ついお見それ申しやして、とんだ口をききました。ときどき針の打ち違いはございますが、うそと千三つを申しあげないのがてまえの身上でございますので、だんながたのお尋ねならば、地獄の話でもいたします」
「いう下から地獄の話なぞと申して、もううその皮がはげるじゃないか。うち見たところ正直者らしゅうはあるが、なかなかきさまとんきょう者じゃな」
「へえい、さようで。それもてまえの身上でございますから、よく町内のお茶番狂言に呼ばれます」
「お座敷商売の按摩だけあって、口のうまいやつじゃ。では、相尋ぬるが、そこの二つめ小路に、このごろ吉原から根引きされた囲い者がいることを存じおるじゃろうな」