Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
ためにありもせぬご家人の右衛門介にまで化け込んで、何かと時を引き伸ばしながら、じろじろとへや内を見まわしたのでしたが、しかしこういう場合、その目のつけどころがまたあくまでも右門流です。たいていの捕方だったら、品物が品物だからおそらくたんすか長持ちといったような貴重品の入れてある家財道具に着目すべきところを、右門は例のごとくその逆のからめてをたどって、なるべくなんでもなさそうなところ、くだらないちょっとしたところというような個所にばかり、鋭い視線を働かせていきました。
――と、はしなくも、その鋭い視線のうちにいぶかしくも映じたものは、床の間の隣の妙な壁です。本式な床なら格別、普通の略式なお座敷であったら、まず一間の床があって、その隣にはからかみ二本の押し入れでもが設けられてあるのがあたりまえですが、しかるに、それなる茶の間の奥の座敷を見ると、床は床であってもその床の隣の押し入れであるべきところが、妙なことに出っ張った土壁なのです。引っ込んだ土壁ならばまだよろしいが、壁をもってふさいだ押し入れのように、そこの一間が出っ張っていたものでしたから、なんじょう右門の慧眼ののがすべき、臭いなと思ってすっくと立ち上がりながら近づいていって、こころみにたたいてみると、果然出っ張った土壁の奥は空洞らしく、ぼんぼんと陰にこもっ