Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
「大きにな、ただのてんかんにしちゃ、ちいっとご念がはいりすぎると思ったからな。それにしても、なんじゃねえか、うわさに聞いたよりかずっといい男じゃねえか」
「ほんとにそうね。あたし、もうお祭りなんかどうでもよくなったわ」
なかにはぼうっとなった女の子も出るといった騒ぎで、それにしては産土さまもとんだ氏子をおこしらえになったものですが、しかし本人のむっつり右門は、いうまでもなくもう看板どおりです。群集のざわめきなぞは耳にも入れないで、苦み走った面をきっと引き締めながら、黙々として屋台の上に上がっていったと見えましたが、懐紙を出して不浄よけに口へくわえると、そこに倒れたままでいる牛若丸の全身をまずひと渡りていねいに調べました。と同時に、涼しく美しかった両のまなこは、さっと異様に輝きました。死骸のいたるところに紫の斑点がはっきりと、浮かび上がっていたからです。いうまでもなく、その斑点は毒死した者のいちじるしい特徴で、だから右門は異状に緊張しながら、黙ってあたりを見まわしていましたが、ふとそこに横笛が――その息穴をなめたために牛若が悶絶するにいたりましたその横笛がころがっているのを発見すると、突然伝六に向かって、いつもの右門がするごとく、意表をついた命令を発しました。