Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

なく通りすぎてしまうべきところでしたのに、ところが少しばかりそこがむっつり右門の他人とは異なる点でありました。不断に細かく働かしているその頭の奥へ、今の職人の口走った、それみろい、いううちに出たじゃねえか、という一語がぴんとひびいたものでしたから、のがさずに突然うしろから呼びとめました。

「これ、町人、まてッ」

「えッ……! ご、ご、ごめんなさい、だ、だんなを幽霊といったんじゃねえんですよ」

「だから、聞きたいことがあるんだ。そんなにがたがたと震えずに、もそっとこっちへ来い」

「い、い、いやんなっちまうなあ。ますます気味がわるくなるじゃござんせんか。ま、ま、まさかに出ていったところをばっさりとつじ切りなさるんじゃござんすまいね」

「江戸っ子にも似合わねえやつだな。しかたがない、名まえを明かしてとらそう。わしは八丁堀の右門と申すものじゃ」

「えッ。そ、そうでしたかい。お見それ申しやした。むっつり右門のだんなと聞いちゃ、おらがひいきのおだんなさまだ。そうとわかりゃ、このとおり急に気が強くなりましたからね。なんでもお尋ねのことはお答えしますが、もしかしたら、今の幽霊の話じゃござんせんかい」