Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
大いちょうのうつろを通路に、地下へ穴倉をほりぬき、驚くばかりの大きな設備を地下のその穴倉に設けて、大々的に鋳造したのでしたが、それをするについてはあき家に住み手のはいるのがじゃまでしたから、赤子の泣きまねをやったり、血をたらしたりして住み手をおどかしたうえにその居つくのを防いだので、しかるに手ぬかりだったことは、大枚三万両というにせ金の鋳造をようやく終わり、それを市中に使いに出ればいいという一歩手前のときにいたって、はからずも一味のうちに仲間割れが生じたのです。事の起こりは、悪党のくせに人間の色恋からで、相手はざんばら髪の白衣姿でにたにたと笑ったあの女、それを中心に一味の首領と、あの毒死した糸屋の若主人とが張り合ったのですが、すでにいくたびも説明したとおり、糸屋のほうがずっと美男子でもあり、若さもまたちょうど食べごろの年かっこうでしたから、最初は女がそのほうになびいていっしょに雁鍋もつつき、向島の屋台船で大いに涼しい密事もなんべんとなく繰り返していたのに、年のいったのもまた格別な味といわんばかりで、もう五十を過ぎた、上方者のねっちりとした首領といつのまにかできてしまったものでしたから、江戸っ子の糸屋の主人がすっかりみけんに青筋を立ててしまったのです。