Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
と追いすがった妻女の手をふりのけながら、いきなり身をおどらして、橋の欄干ぎわからざんぶとばかり大川に身を投じ、それなりどこへ流されてしまったか、死体もわからない不審な自殺を遂げてしまったということでありました。で、小娘の訴え嘆願していうのには、いかにもその死に方がいぶかしすぎるから、右門の知恵と力によって、その不審な父親の死のなぞを解いてほしいとこういうのでした。
事実としたら、なるほどその死に方は、少しばかり奇怪です。いかに浪人者が昔からの迷信家であったにしても、このご時世にそんな死に方は、めったにはあるべきことがらではないんですから、即座に小娘の哀願を引きうけて、よしとばかりに、右門一流の疾風迅雷的な行動が、その場からすぐと開始されそうに思われましたが、しかるに、かれは一部始終を小娘から聞いてしまうと、不意に意外なことをぽつりと尋ねました。
「そなたのおとうさんは、ご藩にいられたおり、どんなお役がらでござったな」
「殿さまのお手紙とかを書くお役目にござりました」
「ほほうのう。ご祐筆でござったのじゃな。では、剣術なぞのご修業は自然うとかったでござろうな」