Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
ここにいたれば、もはやただわがむっつり右門の、名刀村正のごとき凄婉なる切れ味を待つばかりです。やや青みがかった白皙の面にきりりと自信のほどを示すと、右門は長刀をかるくひざに敷いて、黙然と駕籠をあげさせました。
宵はこのときに及んでようやく春情を加え、桜田御門のあたり春意ますます募り、牛ガ淵は武蔵野ながらの大濠に水鳥鳴く沈黙をたたえて、そこから駕籠は左へ番町に曲がると、ひたひたと大江戸城の外廓に出ぬけてまいりました。
けれども、右門の命じたそこからの行く先は、二十騎町の三河屋なる質屋でなくて、伝六に聞いた今の話の古道具商竹林堂だったのです。
「許せよ」
駕籠から降りて鷹揚にいいながら、ずいと店先へはいっていったものでしたから、男まえといい、貫禄といい、番町あたりの大旗本とでも目きき違いをしたのでしょう。四十五、六の小太りな道具屋のおやじが、ことごとくもみ手をいたしまして、へへい、いらっしゃいまし――とばかり、そこへ平月代の額をすりつけました。そして、べらべらとつづけました。
「――お品はお腰の物でございましょうか。お刀ならばあいにくと新刀ばかりで、こちらは堀川の国広、まず新刀中第一の名品でござります。