Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

「バカ者! おそいや!」

まったく、これはどう考えたっておそすぎますが、そこへちょうど、町方見まわりの者たちが変をきいて駆けつけたものでしたから、右門はあとの始末を託しておくと、例のおとし差しで足を早めたのは、わが八丁堀の住まいです。いうまでもなく、まだそこには処分すべきいたいけな小娘お静と、すりながらちょっと戯れてもみたいようなあだ者くし巻きお由が残っていたものでしたから、帰りつくとまずお静にいいました。

「おそくまで待たして、さぞかし眠かったろう。でものう、お静坊、おまえのかたきは、このおじさんがいま討ってきてあげたぞ」

「えッ……では、あのやっぱり、もしやおじいさんのお侍……」

つい喜びに心のうちもいおうとしたのを、右門は押えて、いいました。

「いわぬほうがいい。そのあとは、みんないわぬほうがいい。いうと、おまえの人がらのゆかしさに傷がつくまいものでもないからな。のう、お静坊、さすがそなたは武士の娘だけあって、子どもながらあっぱれな者じゃな。ちゃんと心には気がついていても、そういう疑いはちゃんともっていても、家名の恥になると思って、このおじさんにさえほんとうのことはいわなかったからな。