Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
「なあ、伝六、人間の心持ちってものは、おかしな働きをするもんじゃねえか」
「気味のわるい。突然変なことおっしゃって、坊主にでもなるご了見ですかい」
「いいやね、おれ自身じゃちっともあせったつもりはねえんだが、どうもあばたの野郎が向こうに回るたびに、こういうしくじりがあるんだから、いつのまにかおれもあせるらしいよ」
「じゃ、何かお見おとしでもあったんですかい」
「それが大ありだから、おれにも似合わねえって話さ。まあ、おめえもよく考えてみなよ。だいいち、おかしいのはこの立て札なんだが、中仙道へ突っ走ったやつが、いつのまにこいつを日本橋へもってこられるんだい」
「なるほどね。考えてみりゃ、足の二十本ぐれえもあるやつでなきぁできねえや」
「だから、そいつがまず第一の不審さ。第二の不審は、この立て札の文句だよ。念のために、もういっぺんおめえも読み直してみるといいが、諸君よ、恒藤権右衛門はみごとわれら天誅を加えたれば、意を安んじて可なり、としてあるぜ」
「ちげえねえ。いくら無学でも、あっしだって天誅という文句ぐれえは知ってらあ。天に代わって討ったってえ意味じゃござんせんか」