Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
いいながらむちでたたくまねをすると、いかさま二匹のくまはのっそりのっそりと立ち上がって、いとも器用に鞍馬山の牛若丸を思わすような剣術の型を使いました。――見物人はむろんのことに、巧みなその踊りを見ると、わッとばかり二匹のくまに拍手の雨を送りました。
しかし、右門ら一行のものにとっては、くまの手踊りよりも片耳のない浪人者が、その一団のうちに交じっているかいないかが第一の問題でしたから、見物人のうしろにかくれて、各自の目を光らしながら、ひとりひとり遊芸人の耳を調べました。
ところが、不思議なことに、どこにもそれらしい人物がいないのです。木戸にいる者、檻のそばについている者、くま使いの者なぞを合わせると、全部で六、七人の遊芸人がいましたが、いずれも一くせありげなつら魂ではあっても、その耳は両方共に完全無欠な者ばかりでしたから、いぶかしく思っていると、そのときまたくま使いの道化者が、見物人の拍手に調子づいたもののごとく、とんきょうに口上を言いたてました。
「――では、次なる芸当差し替えてご覧に入れまする。楠公父子は桜井の子別れ。右なる雄ぐまは正成公。左の雌ぐまは小楠公。