Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうそう、お通夜といえば、さっき出がけにお番所へ、妙な訴えをもってきたお坊さんがあったぜ。なんでも、小石川の仁光寺とかいうお寺なんだそうだが、ゆんべのうちに裏の墓をあばいて、二つばかり死骸を胴切りにしていったものがあったそうだよ」

「ほう、死骸をね。このお盆のさいちゅうに、またうすっ気味のわるいいたずらするやつがあったものだな。なんぞ恨みの筋でもありそうなほしなのかい」

「ところが、どうもただのいたずらだろうというんでね。勤番の者の評定じゃ、べつに取り上げるようなけしきを見せなかったっけが、でも、そのあばかれた墓っていうのが、そろいもそろって四、五日まえに仏となった新墓で、そのうえに二つとも死骸は女だというんでね。いたずらにしても、ちっといろけがあるように思われるんだがね」

「そうよな、女がふたりとも小町娘の姉妹かなんかで、胴切りがまた恋のさか恨みとでもいうのなら、めったな草双紙でも見られない筋だがな」

ご当人たちはいっこう冗談のように話し合っていましたが、最後の新墓うんぬんといったことばが、ちらり右門の耳へはいったとたんです。ぎろり目を光らしながら、音もなく蝋色鞘を腰にさして、静かにはかまのちりを払っていたとみえたが、すっくと立つや、同時に鋭い声がかかりました。