Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
「いや、よく打ち明けくだされて、てまえも心うれしく存ずるが、おそらくその刀、村正でござろうな」
すると、同時に石川杉弥がぎょッとなりながら、人に聞かれてはならぬというように、すばやくあたりを見まわしました。……一見不思議な態度に思われまするが、しかし、実は少しもこれが不思議でないので、なぜかならば、当時のごとき徳川もまだお三代ごろのご時勢においては、最もこの村正の作刀が忌みきらわれた絶頂だったのです。なぜ、あれほどの名刀がそんなにも嫌忌されたか、この話の中心ともなるべきものでございますから、簡単にその理由を説明しておきますが、いくつか説のあるうちで、今に最もよく喧伝されているものは、すなわち、あの村正の妖刀説です。その説をなすものの言によると、本来刀を打つ要諦は、身を守るために鍛えるのが主であって、人を切ろうという鍛法は従であるのに、どうしたことか初代の千子院村正が切る一方の刀ばかりを打つので、とうとう師の正宗が涙を奮ってこれを破門したところ、今度は村正がそれを根にもって、では師匠正宗すらもしのぐほどな刀を鋳ようと、ひたすら切る一方の刀を打ったために、いつしか妖気と殺気がその作刀に乗りうつって、そのためこれを腰にする者はつい血を見たくなったり、人を切りたくなったりするというのが、いわゆるその妖刀説ですが