Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
六日からその準備にかかって、九日がその総ざらい、一夜あくればいよいよご定例のその十日です。上戸は酒とさかなの買い出しに、下戸はのり巻き、みたらし、はぎのもちと、それぞれあすのお弁当をととのえて、夜のあけるのを待ちました。
と――定例の十日の朝はまちがいなく参りましたが、あいにくとその日は朝から雨もよいです。名のとおりの春雨で、降ったりやんだりの気違い天気――けれども、ほかの職業にある人たちとは違って、許された公休日というのは天にも地にもその日一日しかないのですから、雨にかまわず催し物を進行させてゆきました。呼び物の虎退治をやりだしたのがお昼近い九つまえで、清正に扮するはずの者は与力次席の重職にあった坂上与一郎という人物。縫いぐるみの虎になったのは岡っ引きの長助という相撲上がりの太った男でした。
お約束のようにヒュードロドロと下座がはいると、上手のささやぶがはげしくゆれて、のそりのそりと出てきたものは、岡っ引き長助の扮している朝鮮虎です。それが、いったん引つ込むと、代わって出てきたのが清正公で、しかしその清正公が少しばかり趣の変わった清正でありました。