Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
忍の城下へようようにたどりついたのは、ぬんめりとくもり空の五つ少しまえ、いずれにしても様子のわかるのはもう一息でしたから、勢いこんで城下の町へまっすぐにはいろうとすると――。
「まてッ」
不意に、やみの左右からそういう声です。同時に、ばらばらっと両三人が行く手を立ちふさぎましたものでしたから、右門もおもわず体をひらいて尺八に片手をかけようとすると、龕燈がぎらりと光って、底力のある声がつづいて横から聞こえました。
「役儀によって面を改める。その天蓋をおとりめされよッ」
課役の藩士だなとわかりましたから、しずかに天蓋をはねあげると、相手は深々と御用龕燈をつきつけて、しげしげ右門の顔をのぞき込んでいましたが、がらりそのことばが変わりました。
「どうやら、ご人相が伊豆守様おことばに生き写しでござりまするが、もしやご貴殿は江戸からおこしの近藤右門どのではござらぬか」
「いかにも、さようにござる」
「やっばり、ご貴殿でござったか! 実は、殿さまがかようにお申されましてな。右門のことゆえ、察するに姿を変えて、わざわざ羽生回りをしてくるにちがいあるまいから、それとのう出迎えいたせと、かようにお申されましたのでな。