Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
「と思うんだが、兄貴の話ゃ、大きに芸が細けえようなことをいって、ちっとも細かくねえんだからな。女の殺されているのはいいとして、どこで本人が殺されているのか、肝心の方角をいわねえんで、だんなだっても急ぎようがねえんだよ」
「つべこべと揚げ足取るなッ。何もかもおぜんだてができていればこそ、せきたてるんだッ。細けえか、細かくねえか、表へ出てみりゃちゃんとわからあ! さ! だんなも立ったり! 立ったり!」
手をひっぱるようにしながら表へ連れ出すと、いかさま芸が細かいと自慢したのも道理でした。珍しく気のきいた大働きで、ちゃんともう用意しておいた早駕籠に名人を押し込めながら、鼻高々と案内していったまではおてがらでしたが、やっぱりこの辺が伝六流です。早駕籠までも雇っていく以上は、よほど遠方だろうと思われたのに、なんとも大笑いなことには、連れていったその先は、両国河岸から五、六町とない目と鼻の新光院通りでした。
けれども、本人は大得意。
「ざまみろい! 辰ッ。このとおり、おいらのやることあ細けえんだッ。――ここですよ! ここですよ! この家がそうですよ」
てがら顔に案内してはいろうとした問題のそのひと構えを、あごをなでなでちらりと見ながめていましたが、ぴたりともう右門流でした。