Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
きみ千万――
「ちっとこりゃまたてこずりそうだな」
つぶやいていましたが、やがてしかし床の間へ近づくと、何はともかくというように、飾ってある大刀を、一本一本と調べだしました。もちろん、調べたところは小柄です。非業の最期を遂げた井上金八妻女の傷は小柄だな、と眼をつけたその眼の的否をたしかめようとするらしく、一本一本と鞘から抜いてはためつ、すかしつ、見改めていましたが、悲しいかな急所のその眼が狂ったらしい!――みるみるうちに、秀麗なその面を蒼白にさせると、むっつりと、真にむっつりとおし黙って、そこにすわり込んでしまいました。
しかも、端然と端座しながら、床の間の不審な刀を見ては、いまだにうしろ向きで震えつづけている仙市のほうに目を移し、移してはまた刀のほうに目をやって、四半刻、半刻と、ついには一刻近くもじっと考え込んでしまったものでしたから、鳴り屋の千鳴り太鼓が、陰にこもって初めは小さく、やがてだんだんと大きく鳴りだしました。
「ちぇッ」
「…………」
「じれってえな」
「…………」
「何がわからねえんだろうね」
「…………」
「まちげえならまちげえ、犯人なら犯人と、ふにおちねえことがあるなら、バンバンと締めあげてみりゃらちがあくじゃござんせんか!」