Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
「芯からの気違いじゃねえや。なにか悲しいことにぶつかって、逆上しているんだぜ」
「えッ※(疑問符感嘆符、1-8-77) じゃ、あの、まだどこか脈がござんすかい。見りゃ目も血走っているし、言うこともろれつが回らねえようですが、このごろはああいう花魁の揚げ方がはやりますのかね」
「次から次へと、よくいろんなとんきょう口のきけるやつだな。ひとり頭に小判を二枚ずつとかぎって、祝儀にしたところが、芯からの気違いじゃねえなによりの証拠だよ。ほんとうに気がふれてりゃ、三両も五両も金の差別はわからねえや。まてまて、今おれが気つけ薬を飲ましてやらあ」
いいつつ、ずかずかとそれなるいぶかしき老大尽の身近くに歩きよったかと思われましたが、こはそもいかなる気つけ薬を飲ませようというつもりでありましたろう――やにわに、ぎらりと鞘ばしらせたものは、あの蝋色鞘の細身なる一刀でした。しかも、抜くや同時に大喝!
「ふびんながら、命はもらいうけるぞ!」
叫びざまに、老大尽の面前五分の近くへ、光芒寒き銀蛇を一閃させたものでしたから、並みいる花魁群のいっせいにぎょッとしながら青ざめたのはいうまでもないことでしたが、しかし、その驚愕はただの秒時――。