Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
禅宗曹洞派の流れをうけた男禁制の清浄このうえない尼僧道場で、当時ここに仏弟子となって勤行観経怠りない尼僧たちは、無慮二百名にも及ぶと注せられたほどでしたが、それかあらぬか、広大なる堂宇伽藍は、いまし、迫った落日の赤々とした陽光に照りはえて、伽藍を囲む築地塀は、尼僧の清さそのものを物語るかのごとくに白々と連なり、しかも、伽藍のあわいあわいにおい茂る春の木、初夏の木、常盤木は、まこと文字どおりの青葉ざかりでした。
このようなところへ何しに、と思われましたが、しかし、院内へはいるかと思うとそうではないので、名人の微笑しいしい行き向かったところは、ちょうどその尼僧寺青梅院を一望のもとに見おろされる位置になっている院の裏の小高い丘でした。
ここは、塀も築地塀ではなく生けがきで、その生けがきのところに、裏の丘がほとんど肩をすれすれに並べ、もし、院の表へ道ならねど、とがめえられぬ人の世の恋を追う男があって、男禁制の聖禁を犯そうと心がけたら、必ずしも僧房に忍び入るのが困難ではなく、反対にまた院内の尼僧たちの中において、道ならねど、これもあるいは許しえられる人の世の春を追おうとするものがあったとしたら、また、必ずしも裏の丘に忍び出ることがあまり困難ではない天の与えた一つの情けが丘でした。