Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
「くせ者じゃ、くせ者じゃッ」
「狼藉者でござりまするぞッ」
すわ珍事とばかりに、呼び叫んだ声といっしょで、めでたかりし参覲途上のお行列は、たちまち騒然と乱れたち、まず何より先にと供まわりの一隊が十重二十重の人楯つくって、尾州侯豆州侯お二方のお召し駕籠をぐるりと取り巻きながら、とりあえず安全な地点へお運び申しあげる。一隊はまた坂上のくせ者めがけて逃がさじと駆けつける、残りの徒侍どもは矢を射こまれたなぞの御用駕籠をこれまたぐるりと取り巻いてご警固申しあげる、呼ぶ声、叫ぶ声、駆けこう足音、五十三次やれやれの宿の品川浜は、思わぬ珍事に煮えくり返るような騒ぎとなってしまいました。
もちろん、われらの捕物名人が、事起こるといっしょで、伝六、辰の両配下を引き従えながら、時を移さず怪しの駕籠のくせ者大名目ざして駆けつけたのはいうまでもないことでしたが、しかるに、これがいかにも奇怪なのです。矢を射る、当たる、駆けだすと、ほとんど時をまたずにいずれもが駆けつけていったのに、なんたる早わざでありましたろう! 怪しの大名駕籠は、とっくにもうもぬけのからでした。お供の者も三、四人はいたはずでしたから、せめてそのうちのひとりぐらい押えられそうに思われましたが、それすら完全に煙のごとく逐電したあとで、ただ残っているものは怪しの駕籠が一