Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
「神妙に申したてねばあいならんぞ」
「ご念までもござりませぬ」
「では、あい尋ねるが、そちの手掛けた西条流半弓一式を近ごろにどこぞの大名がたへ納めたはずじゃが、覚えないか」
「…………」
「黙っているは隠す所存か」
「め、めっそうもござりませぬ。そのようなことがござりましたろうかと、とっくりいま考えているのでござりまするが、――せっかくながら、この両三年、お尋ねのようなことは一度もござりませぬ」
「なに? ないとな! いらざる忠義だていたすと、せっかく名を取った西条流弓師の家名も断絶せねばならぬぞ。どうじゃ、しかとまちがいないか」
「たしかにござりませぬ。てまえは昔から物覚えのよいが一つの自慢。まして、ご大名がたへのご用ならば家の名誉にもござりますゆえ、あらば隠すどころか、進んでも申しまするが、せっかくながら、この三年来、ただの一度もお尋ねのようなことはござりませぬ」
うそとは思えぬ面ざし向けて、きっぱりと言いきったものでしたから、予想のほかの的のはずれにはたと当惑したのは名人でした。また、これはいかな名人とても当惑するのが当然なので、第一の急所たるべき半弓詮議に望みが絶えたとならば、残るてだてはいずれもことごとく困難なものばかりです。