Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

「繁盛だな……」

「いらっしゃい。どうぞ、さあどうぞ。そこではお冷えなさいます。こちらへお掛けなさいまし」

あいきょうがまたばかによい。こぼれるような笑顔をつくりながら、こわい名人を名人とも知らないのか、下へもおかない歓待ぶりでした。

「ご両替でございましょうかしら? お貸し金でございましょうかしら? ――お貸し金のほうなら、もう暮れもさし迫っておることでございますゆえ、抵当がないとお立て替えできかねますが……」

「金に用はない。のれんに用があって参ったのじゃ」

ずばりと、切りさげるように一本くぎをさしておくと、やんわりといったものです。

「小判に目が肥えているなら、こっちのほうも目が肥えておろう。この巻き羽織でもようみい」

「まあ。そうでござんしたか。どんなお詮議やら、朝早くのご出役ご苦労さまでござります。お尋ねはにせ金のことかなんかでございましょうかしら?」

おどろく色もなく嫣然と笑って、流るる水のごとくなめらかに取りなしました。

「なんのお調べでござんしょう? わたくし、娘の竹というものでござります。わたしでお答えのできないことなら親を呼びますが……」