Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
二つにはまた弓そのものにもゆだんがならないのでした。よしや身には、草香流、錣正流、江戸御免の武器があったにしても、万に一、ぷつりとやられたら、張り子やどろ細工の人間ではない、ばかりか、伝六というもっぱら手数のかかる男が、すでにもう足なぞをこまかく震わせて、うしろにまつわりついているのです。
「茶にも裏千家というものがあるんだ。おいらも裏右門流で出かけるかね。声を出すなよ。いいかい。こういうふうに回って、こういうふうに来るんだ。ついてきな……」
そこのへいつづきの境から横へ回って、くぐりをあけると、忍びやかに裏庭へ押し入りました。
さすがに弓道師範の住まいです。広くとった庭にはけいこ弓の矢場がずっと奥までつづいて、そのこちらに車井戸、井戸にとなって物干し場、――ひょいと目を向けると、小春日のあたたかい日ざしを浴びてひらひらと舞っている幾枚かの干し物が見えました。
じつに目が早いのです。
「へへえ、弓の大将、やもめだな」
「バカいいなさんな。やもめといやひとり者にきまってるんだ。やもめににおいがあるじゃあるめえし、見もしねえうちから、人のうちのことがわかってたまりますかよ」