Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
やはり、わたくしたち、夫の甚吾とふたりが疑ったとおりでござりました。と申しただけでは、なんのことやらおわかりではござりますまいが、そちらの大口三郎さまは、いうも身の毛のよだつ人非人でござります。忘れもせぬ二年まえ、父が他界いたしますといっしょに、生前なによりたいせつにして、父が秘蔵しておりました子持ちすずりという名のすずりが紛失したのでござります。そこの床の間にありまする小さな桐箱の中がそのすずりでござりまするが、石は唐の竜尾石、希代の名品でござりますばかりか、不思議が言い伝えがござりまして、女のわたくしがかようなことをあからさまに申しあげますのは心恥ずかしゅうござりまするが、子のない家にそのすずりを置けば、必ず子宝が得られますとやらいう言い伝えにちなみまして、いつのまにか子持ちすずりという名がついたとか申すことでござります。それゆえ、父もことのほかたいせつにいたしまして、人にも見せないほどに秘蔵しておりましたところ――」
「大口の三郎がさらって逃げたと申されるか」
「いいえ、はじめはだれが盗んだものやら、いっこうにわかりませなんだが、紛失するといっしょに大口様がふいっと国もとから姿を消しましたゆえ、はておかしなこともあるものじゃと、不審に思っておりましたところ、人のうわさに、まもなく当加賀家へ祐筆頭として