Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
なおも束針を運んでぷつりと肉の膚へ刺そうとしていたその手を軽くぎゅっと押えると、光った目で相手の目をじっと見すくめながら、静かに浴びせました。
「どろを吐けッ」
「どろ……?」
「しらっばくれるな! 千人彫りの秘願とやらの何人めにあの生娘の膚をいけにえにしたか知らねえが、同じ朱の色だ。おまえお冬の膚にもいたずらしたろう」
「お冬さん……? ああ、なるほど、本石町の薬屋さんのお妹御ですね」
「彫ったか!」
「冗、冗談じゃござんせぬ。いっこう知らないことですよ」
「でも、知っているような口ぶりじゃないか!」
「知っておりますとも! この朱はあの薬屋さんから買いつけておりますからね、よく知っておりますよ。姉娘のお秋さんはたしか三十、これもべっぴんだが、お冬さんのほうは若いだけにいい膚色のようでござんした。できることなら手がけてみたいとは思いましたが、彫った覚えなぞ毛頭ござんせんよ」
「うそをつけッ。朱の色も同じ、つぶし彫りもおまえのこの流儀だ。ぴかりとこの目が光ったら逃がさねえぞ、彫ったからとて、獄門にかけるの、はりつけにするのというんじゃねえ、頼まれたら頼まれた、盗んで彫ったなら盗んで彫ったと、すなおに白状すりゃいいんだ。