Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
ここにはお秋お冬おふたりの評判娘がおるはずだがと思っておりましたら、にゅっと障子の穴から女の手が出たんでござります。たしかに女の手でござりました。姉かしら、妹かしらと思いましたが、障子をあけてみることもならず、いわれたとおり黙って彫れば五十両になるだろうと思いまして、大急ぎに喜七いのちと、師匠ゆずりのつぶし彫りを仕上げましたら、また目隠しをしろとしかるように声がかかりましたのでな、いいつけどおりいたしましたら――」
「五十両、だれからともなく礼金が舞い込んできたと申すか!」
「そうなんでござんす。くれた人も、頼み手もたしかに大西屋さんのおかたに相違あるまいと思いまするが、だれともさっぱり見当がつきませぬ。しかし、別段わるいことをしたのでもなし、五十両はかたじけないと、さっそくこの女のところへ飛んできたんでございます」
がぜん、つるから出たつるは、さらに怪しくぶきみなつるを伸ばしました。彫った女は、いうまでもなくお冬に相違ない。怪しき頼み手もまた、栄五郎のいうがごとく、大西屋の中にいた者にちがいない。しかし、だれが頼んだかは全く即断を許さぬ濃いなぞでした。