Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

とっとと駕籠を呼んできな」

「いいえ、だんな、お黙り! なるほど、犬の顔にも裏表があるかもしれねえがね、よしんばお駒が免許皆伝の剣術使いであったにしても、包丁はドス、そのドスが血によごれて、死骸のそばにころがっておったと、万兵衛のだんなが詳しくご披露なすったんだ。傷口が違うんです。刃物が違うんです。ドスの袈裟がけ匕首剣法の一刀切りなんてえものは、伝六へその緒を切ってこのかた耳にしたこともねえですよ。せっかくだが、あっしゃご異論のある口だ。文句があったら活発に手をあげてごらんなせえ」

「音止めにぱっとあげてやらあ。うるせえ野郎だ。刀で切って、目をくらますために、匕首を捨てておくという手もあるじゃねえか。おいたはおよしなさいませと、あっさりやられたあのせりふが気に入らねえ、にこりともしなかった顔が気に入らねえんだ、ついてきな」

ひとにらみ、たった一つの小石のつぶてが、無罪放免、ほんの今かごから放たれたばかりのお駒の身辺に、突如として思い設けぬ疑惑の雲をまた新しく呼び起こしたのです。――風もゆたかな春深い日中の町を、右門の目を乗せた駕籠はぴたりと音の止まった伝六を従えて、ゆさゆさと、おうようにゆれながら、浅草宗安寺門前の北松山町を目ざして急ぎました。