Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

甘いばかりが能じゃねえんだ。いわなきゃあっしが目にものを見せてやらあ。――ものをいえ! ものを! いわなきゃ十手が行くぞ! 十手が!」

おそいかかろうとしたのを、ひらりとお駒のむちが横に動いたかと思うと、免許皆伝どころか、実にみごとな手の内でした。いつ払いおとされたか、ぽろりと伝六の十手がもう足もとに落ちていたのです。

しかも、お駒はにこりともせずに、しんとした顔をして、ゆらりゆらりと、むちを軽くふりながら、やまがらをあしらっているのでした。あちらへ、こちらへ、――と思って、ひょいと気がつくと、どこへ姿を消したか、そのやまがらがいないのです。

名人はもとより、当のお駒もはっと気がついたとみえて、われ知らず身をねじ向けながら、へやのうちを見捜しました。

といっしょに、背のうしろで、ばたばたとかすかな羽音があがりました。今の伝六のひと騒動におどろいて舞い逃げたとみえて、意外なところに止まっていたのです。

隣のへやの仏壇の中でした。

ただの仏壇ではない。たかが浅草の芸人ふぜいには珍しくりっぱな、珍しく大きな、へやにも座敷にもふつりあいなくらいにみごとな仏壇なのでした。