Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
その四人が定めどおり馬首をそろえて、半蔵門から隠し井の淵までさしかかってくると、
「よッ……!」
三宅が不意に鋭く叫びながら、馬のたづなをぎゅっと引き締めました。
上と下と濠が二つあって、まんなかが水門。上ではない、その下のほうの濠に、いぶかしい品がぶかりぶかりと浮いているのです。
「なんじゃ」
「変なものだぞ」
まだあけたばかりで薄暗いためによくはわからないが、赤いものが一つ、白いものが一つ。とにかく、穏やかでない品でした。
「おりろ。おりろ」
ふたりが馬を捨てて、土手を下りながら長つゆのあとの水かさのました水面に近づいてよくよくみると、二つとも女の持ちものなのです。
一つはなまめかしい紅扇子。
いま一つは、これまたなまめかしい白綸子づくりの懐紙入れでした。
「水死人があるかもしれぬぞ」
「のう……!」
「いずれも懐中にさしている品ばかりじゃ。このようなところへ捨てる道理がない。入水いたした者の懐中から抜けて浮きあがったものに相違ないぞ。土手に足跡でもないか」
足跡はなかったが、この二つの品を見て、ただちに水死人と断じたのはさすがです。
「だれか一騎、すぐに屯所へ飛べッ」