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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどものかなしみ

号外・少年の悲哀 他六篇

国木田 独歩

Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme

Aozora Bunko

西は入り江の口、水狭くして深く、陸迫りて高く、ここを港にいかりをおろす船は数こそ少ないが形は大きく大概は西洋形の帆前船で、その積み荷はこの浜でできる食塩、そのほか土地の者で朝鮮貿易に従事する者の持ち船も少なからず、内海を行き来する和船もあり。両岸の人家低く高く、山に拠り水に臨むその数数百戸。

入り江の奥より望めば舷燈高くかかりて星かとばかり、燈影低く映りて金蛇のごとく。寂漠たる山色月影のうちに浮かんで、あだかも絵のように見えるのである。

舟の進むにつれてこの小さな港の声が次第に聞こえだした。僕は今この港の光景を詳しく説くことはできないが、その夜僕の目に映って今日なおありありと思い浮かべることのできるだけを言うと、夏の夜の月明らかな晩であるから、船の者は甲板にいで、家の者は外にいで、海にのぞむ窓はことごとく開かれ、ともし火は風にそよげども水面は油のごとく、笛を吹く者あり、歌う者あり、三味線の音につれて笑いどよめく声は水に臨める青楼より起こるなど、いかにも楽しそうな花やかなありさまであったことで、しかし同時にこの花やかな一幅の画図を包むところの、寂寥たる月色山影水光を忘るることができないのである。