Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme
始終談笑しているのが巡査と人夫で、医者はこめかみのへんを両手で押えてしゃがんでいる。けだし棺おけの来るのを皆が待っているのである。
「二時の貨物車でひかれたのでしょう。」と人夫の一人が言った。
「その時はまだ降っていたかね?」と巡査が煙草に火をつけながら問うた。
「降っていましたとも。雨のあがったのは三時過ぎでした。」
「どうも病人らしい。ねえ大島さん。」と巡査は医者のほうを向いた、大島医師は巡査が煙草を吸っているのを見て、自分も煙草を出して巡査から火を借りながら、
「無論病人です。」と言って轢死者のほうをちょっと見た。すると人夫が
「きのうそこの原をうろついていたのがこの野郎に違いありません。確かにこの外套を着た野郎です、ひょろひょろ歩いては木の陰に休んでいました。」
「そうするとなんだナ、やはり死ぬ気で来たことは来たが昼間は死ねないで夜やったのだナ。」と巡査は言いながら、くたびれて上り下り両線路の間にしゃがんだ。
「やっこさん、あの雨にどしどし降られたので、どうにもこうにもやりきれなくなって、そこの土手からころがり落ちて線路の上へぶったおれたのでしょう。」と、人夫は見たように話す。