Japanische Klassiker mit Furigana
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あいえんきえん
合縁奇縁
佐々木 邦
Lesen Sie 合縁奇縁 (あいえんきえん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.349 Zeichen · 23 Bildschirme
つい惹きつけられて、尾崎君のところへ足が向く。尾崎君は無論未だ独身だけれど、もう家長だから、用が多い。僕が訪ねて行っている間に客が来て、その応対に出なければならないことがある。そういう折からは町子さんが話相手をしてくれるから書き入れだ。兄貴よりも妹に会いたくて訪れる。こうなっては宜しくないけれど仕方がない。
「町子さん、あなたはもうソロ/\お嫁にいらっしゃるんでしょうね?」
と僕は訊いて見た。
「まあ! 厭な木下さんね」
「何故ですか?」
「私、お嫁になんか行きませんわ」
「しかし来年はもう御卒業でしょう?」
「卒業すればお嫁に行くものと定っていますの?」
「そういう世間相場ですから」
「相場なんて失礼よ」
「それじゃいらっしゃらないんですか?」
「えゝ。兄が高文試験を取るまで側についていますの」
「五年も六年もかゝって、お婆さんになってしまいますよ」
「三十になっても四十になっても構いませんわ」
僕は町子さんの誇張を善意に解釈した。序に何年でも僕を待っていてくれるという意味らしい。それなら約束して置いてくれるだろうと思って、申込の手紙を書いた。決して浮いたことでない。