Japanische Klassiker mit Furigana
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あいえんきえん
合縁奇縁
佐々木 邦
Lesen Sie 合縁奇縁 (あいえんきえん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.349 Zeichen · 23 Bildschirme
僕は固めたばかりの決心を翻した。錦子さんは惜しいけれど、一生の方針には代えられない。兄貴を頼んで、随明寺の方を断って貰った。序ながら、その後へ隣りの井沢正覚が納まった。正覚は極く気立の好い子で、僕とは竹馬の友だった。文字通り、竹馬に乗って遊んでいた時転んで股の辺りを裂いたことがある。以来玉が一つしかないという評判だったから、僕が訊いたら、チャンと二つ見せてくれた。そうして、
「君、証拠人になってくれよ」
と頼んだのである。そこで僕はいつも正覚坊の為めに保証する役だった。小学校時代は同級だったが、卒業してからは中学と商業に分れた。お寺は貧乏でいけないから、実業家になって金を儲けるんだと言って、正覚君は商業学校へ入っていた。矢張り坊主嫌いの方で、
「簿記棒で阿弥陀様を叩いたら、アカーンって鳴いたよ」
なぞと勿体ないことを言った。それにも拘らず、錦子さんの話が始まると、一も二もなかった。僕が断ると間もなく口がかゝって来たらしく、
「君、僕は感ずるところあって、矢っ張り坊主になるよ。随明寺へ養子に行くんだ」
と報告した。
「何を感じたんだい?」
「十万億土の夢を見て、豁然として大悟一番したんだ。