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Japanische Klassiker mit Furigana

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きらこうずけのたちば

吉良上野の立場

菊池 寛

Lesen Sie 吉良上野の立場 (きらこうずけのたちば) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.369 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

「取り換える?」

「そうだ!」

「今から」

「作法上定まっている模様は、変えることにはなりませぬぞ。いくら、貴殿が慣例を破っても、こういうことは勝手には破れんからな。即刻、取り換えなさい。次……」

そういうと、上野は内匠頭の返事も待たず、次の間にはいった。

内匠頭は、蒼白になって、その後姿をにらんでいた。

六

明日の、勅使の接待方の予定が少し変ったときいて、内匠頭は、伊達左京を探してきこうとしたが、茶坊主が、

「もう、お下りになりました」といった。

「吉良殿は?」

「おられます」

内匠頭は、廊下へ出で、高家衆の溜へ歩きつつ、

(上野にきくのは、残念だが……)と思った。

(しかし、伊達にききにやるのも面目にかかわるし……)

そう思って、松の間の廊下へ出たとき、上野が向うから歩いて来た。

「しばらく」

上野は、じろっ! と内匠頭を見て、立ち留った。

「明日、模様替えがありますそうで、どういう風に……」

「知らないのか」

「ききもらしましたが、どうかお教えを!」

「ききもらした! 不念な。どこで何をしていた?」

「ちょっと忙しくて」

「忙しいのは、お互いだ」

上野は、行き過ぎようとした。