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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme

Aozora Bunko

その証拠にはその夜以来、銀之丞の姿が見えなくなった。空へ消えたのか地へ潜ったのか、忽然姿が消えてしまった。

しかも邸内誰一人として、それを怪しんだものがない。もっとも彼らはその夜遅く、金属製の大きな戸が、深い深い水の底で、重々しく開くような音を聞いた。

が、誰一人それについて、噂しようともしなかった。

で、邸内は平和であった。無為に日数が経って行った。

全く不思議な邸ではある。

だが銀之丞はどうしたのだろう? いずれは恐ろしい運命が、彼を見舞ったに相違ない。はたして生きているだろうか? それとも死んでしまっただろうか? 死んだとしたら殺されたのであろう。

可哀そうな彼の運命よ!

だが私の物語は、ここから江戸へ移らなければならない。

家斉将軍と中野碩翁

赤い格子に黒い船

ちかごろお江戸は恐ろしい

こういう唄が流行り出した。

十数年前にはやった唄で、それがまたもやはやり出したのであった。

恐ろしい勢いで流行し、柳営にまで聞こえるようになった。

時の将軍は家斉であったが、ひどくこの唄を気にかけた。

「不祥の唄だ、どうかしなければならない」

こう侍臣に洩らしさえした。