Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
「ふん、それからどうしたな?」平八は先をうながした。
「……で、おおかた筋といえば、そういったものでございますがね、どうもつくりがあくどいので。へへへへ、全くあくどいや」「なんだい、いったいつくりとは?」「へい役者のつくりなので」
「役者のつくりがどうしたんだ?」「こればっかりは申されません。旦那ご自分でごらんなすって」
小松屋松五郎はこういうと、何かひどく気の毒そうに、クックックッと含み笑いをした。
「で、座頭は何んというんだ?」
「阪東米八といいますので」
「そいつが切り髪の女なのか?」「へい、さようでございます。滅法仇っぽい美い女で、阪東しゅうかの弟子だそうです」
「鬘を着けていたひにゃア、切り髪なんかわかるまいに、どうしてお前は探ったな?」「いえ、そいつはこうなので、見物の中に見巧者がいて、噂をしたのでございますよ」「ほほう、なるほど、どんな噂だな?」「なんでも今年の春のこと、旦那というのに髪を切られ、世間に顔向けが出来ないので、それでずっと休んでいたのが、今度旦那から金を取り、自分が座頭で一座を作り、打って出たのだとこういうので」「これは筋道が立っているな。