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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme

Aozora Bunko

「この悲しさも、このはかなさも、富士甚内とお北とのためだ。討たねば置かぬ! 討たねば置かぬ! 敵の名前は富士甚内、富士に対する名山と云えば、俺の故郷の浅間山だ。それでは今日から俺が名も、浅間甚内と呼ぶことにしよう。聞けば昔京師の伶人、富士と浅間というものが、喧嘩をしたということだが、今は天保癸未ここ一年か半年のうちには、どうでも敵を討たなければならぬ」

いよいよ復讐の一念を、益※(二の字点、1-2-22)ここで強めたのであった。

二人が江戸へ着いたのは、それから間もなくのことであった。

子柄がよくて不具というので、かえってお霜は同情され、千葉家の人達から可愛がられ、にわかに幸福の身の上となった。

爾来二人は連れ立って、時々市中を彷徨ったが、甚内が唄う追分たるや、信州本場の名調なので、忽ち江戸の評判となった。ひとつは歌詞がいいからでもあった。

日ぐれ草取り寂してならぬ、鳴けよ草間のきりぎりす

親の意見と茄子の花は、千に一つのむだもない

めでた若松浴衣に染めて、着せてやりましょ伊勢様へ

思いとげたがこの投げ島田、丸く結うのが恥ずかしい

かあいものだよ鳴く音をとめて、来たを知らせのくつわ虫