Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
「出しますよ、ハイ十両」
「感心感心、思い切ったな」
「で、どこへ行ったんですい?」
「海へ行ったということだ」
「え、海へ? どこの海へ?」
「そいつはどうもいわれねえ」
「へえ、それじゃそれだけで、私から二十両お取んなすったので?」
「悪いかな、え、和泉屋、悪いようなら、ソレ返すよ」
「ナーニ、それにゃ及ばねえ。それにしても阿漕だなあ。……ようごす、旦那、もう十両だ、詳しく話しておくんなさい」
「莫迦をいえ」と宗俊は、苦笑いをして首を振り、「いかに俺があくどいにしろ、そうそうお前から取る気はねえ。……詳しく話してやりたいが、実はこれだけしか知らねえのさ。いかに中野碩翁様が、俺らの親分であろうとも、秘密は秘密、お堅いものだ。実はこれだけ聞き出すにも、たいてい苦労をしたことじゃねえ。……だが、この俺の考えでは、お前もとうから聞いていよう、ひんぴんと起こる海賊沙汰、それと関係があるらしいな」
「へへえ、なるほど、海賊にね。いや有難うございました。そこでついでにもう一つ、いつ江戸をたったので?」
「今朝のことだよ。あけがたにな」
「いつ頃帰って参りましょう」
「仕事の都合さ、俺には解らねえ」