Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lesen Sie 名人地獄 (めいじんじごく) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.286 Zeichen · 301 Bildschirme
「ナニ金塊が釣るしてある?」「さよう金塊が釣るしてある。つまり火災に遭った時など、改めて建立しなければならない。その時の費用にするために、随分昔から黄金の延棒が、天井に大切に釣るしてあるのだ」「これは私には初耳だ」「ところで楽器というものは、分けても笛と鼓とはだな、黄金の気を感じ易い。名器になれば名器になるほど、黄金の気を強く感じ、必ずねいろが変化する。つまり一層微妙になるのだ。で鉱脈を探る時など、よく鉱山の山師などは、笛か鼓を持って行って、それを奏して金の有無を、うまく中てるということだよ」
黙って聞いていた平八は、思わずこの時膝を打った。「やれ有難い、いい事を聞いた。これで事情が大略解った。ははあなるほどそうであったか。鼓賊と呼ばれるその泥棒が、少納言の鼓を奪い取ったのは、その鼓を奏する事によって、目星をつけた家々の、金の有無を知るためだったのか。盗みも進歩したものだな。……よしよしここまで見当がつけば、後はほんの一息だ。きっと間違いなく捕えて見せる」
踏む足も軽くいそいそと、本所業平町一丁目の、自分の家へ帰って行った。
千葉道場の田舎者