Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいくんただゆき

名君忠之

夢野 久作

Lesen Sie 名君忠之 (めいくんただゆき) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.683 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

「ハッ。新知に御座りまするが」

「ウム。塙代は三百五十石とか聞いたのう。今二百石ばかり加増して取らせい」

「ハハッ。有難き仕合わせ……」

大目付と淵老人が平伏したに連れて、お秀の方と側女までが一斉に頭を下げた。与一に対する満腔の同情がそうさせたのであろう。

「二村、天山の二カ村が表高百五十石に御座りまするが、内実は二百石に上りまする」

「ほかに表高二百石の処は無いか」

「ほかには寸地も……」

「ウム。無いとあらば致し方もない。二村、天山は良い鷹場じゃ。与一を連れて鶴を懸けに行こうぞ。きょうから奥小姓にして取らせい」

側女たちが眼を光らせて肩を押し合った。嬉しい……という風に……。

「硯箱を持て……墨付を取らする」

お秀の方が捧ぐる奉書に忠之は手ずから筆を走らせた。

「コレ与一……昌純と云うたのう。墨付を遣わすぞ」

「忝けのう御座りまする」

与一は何やら一存ありげに肩を怒らして押戴いた。同時に一同が又頭を下げた。

忠之は与一の顔をシゲシゲと見た。与一も忠之の顔をマジマジと見上げた。

「フフム。まだ足らぬげじゃのう。面を膨らしおるわい。知行なぞ好もしゅうないかの。子供じゃけにのう。