Japanische Klassiker mit Furigana
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りんしょくしんのやど
吝嗇神の宿
Lesen Sie 吝嗇神の宿 (りんしょくしんのやど) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.082 Zeichen · 17 Bildschirme
なぜだか、にわかにドロボー君はそう感じたのである。
シシド君はオタツに半殺しにされ、まるで敵味方のようではあるが、半殺しにして平気なオタツと、半殺しの目にあわされて平気なシシド君と、実はこれほど似ているものはないじゃないか。同じ物の裏と表のように一体という感がする。
「そうだ、今日は日曜日だ。あの娘ッ子が、たしか日曜の十時に西郷さんの銅像前で待ち合わそうと云ってたな。これだ。これに限る。持つべきものを持たせないと、オタツをとられてしまうぞ」
ドロボー君は今か今かと二ツのイビキが終るのを待っていたが、八時になり、九時になっても、とても自然にイビキのとまる見込みがない。たまりかねてオタツを起し、シシド君を起した。
「ニイサンや。起きろよ。今日は日曜日だぜ。オメエ、あのアマッ子と今日の十時に会う約束じゃアなかったか」
「そんな約束だったね」
「落ちついてちゃいけないよ。もう九時半だぜ。急いで行かねえと間に合わねえや」
「間に合わなけりゃ行かないよ」
「娘にわるいぜ」
「じきほかの男を見つけるよ」
「変に落ちついてるね、この人は。あんないい娘に二度とめぐりあえるもんじゃねえや。