Japanische Klassiker mit Furigana
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りんしょくしんのやど
吝嗇神の宿
Lesen Sie 吝嗇神の宿 (りんしょくしんのやど) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.082 Zeichen · 17 Bildschirme
ようやく袖で顔をふき終り、
「実に、おどろくべきケチだ」
「なにイ!」
「それ、それ。その調子だから、ソースビンをひッたくッてソースをぶッかけるかと思ったら、ソースをテイネイに隅の戸ダナへしまってきて、水をぶッかけたから感心したのさ。実に、見上げたケチだ」
「この野郎!」
オタツはヒシャクを左手に持ちかえ、右手のコブシをつくってシシド君の胃を一撃した。
「ウッ!」
シシド君、胃袋の上を押えて、よろめく。歯をくいしばって、必死にこらえて、ともかく三畳まで戻ってきてバッタリとリュックにもたれて、
「ウーム。ヒシャクを左に持ちかえ、右のコブシで打つとは、なんたるケチ。一挙一動、言々句々、ケチならざるはない。ドロボーの二号にしてこのケチあり」
と言いかけて、あわてて最後の句をのみこんだ。
★
カツレツも一ツしか買ってこない。オタツ自身もカツレツを食べる気持がないが、シシド君にはカツはおろかゴハンを食べさせる気持がないのである。
シシド君がリュックからホシイイをだして食っていると、ドロボー君がカツを千切ったのと小魚のツクダニを紙にのせて持ってきてくれた。