Japanische Klassiker mit Furigana
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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme
と自慢らしく主人と細君の前に差し出す。「まあ奇麗だ事。大変目が細かくって柔らかいんですね」と細君はしきりに撫で廻わす。「奥さんこの帽子は重宝ですよ、どうでも言う事を聞きますからね」と拳骨をかためてパナマの横ッ腹をぽかりと張り付けると、なるほど意のごとく拳ほどな穴があいた。細君が「へえ」と驚く間もなく、この度は拳骨を裏側へ入れてうんと突ッ張ると釜の頭がぽかりと尖んがる。次には帽子を取って鍔と鍔とを両側から圧し潰して見せる。潰れた帽子は麺棒で延した蕎麦のように平たくなる。それを片端から蓆でも巻くごとくぐるぐる畳む。「どうですこの通り」と丸めた帽子を懐中へ入れて見せる。「不思議です事ねえ」と細君は帰天斎正一の手品でも見物しているように感嘆すると、迷亭もその気になったものと見えて、右から懐中に収めた帽子をわざと左の袖口から引っ張り出して「どこにも傷はありません」と元のごとくに直して、人さし指の先へ釜の底を載せてくるくると廻す。もう休めるかと思ったら最後にぽんと後ろへ放げてその上へ堂っさりと尻餅を突いた。「君大丈夫かい」と主人さえ懸念らしい顔をする。細君は無論の事心配そうに「せっかく見事な帽子をもし壊わしでもしちゃあ大変ですから、もう好い加減になすったら宜うござんしょう」