Japanische Klassiker mit Furigana
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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme
しかし懸かりきりで眼が覚めないと困るな」
「なに大丈夫です。それじゃやりましょう」
相談はたちまち一決して、主人はいよいよ催眠術を懸けらるる事となった。吾輩は今までこんな事を見た事がないから心ひそかに喜んでその結果を座敷の隅から拝見する。先生はまず、主人の眼からかけ始めた。その方法を見ていると、両眼の上瞼を上から下へと撫でて、主人がすでに眼を眠っているにも係らず、しきりに同じ方向へくせを付けたがっている。しばらくすると先生は主人に向って「こうやって、瞼を撫でていると、だんだん眼が重たくなるでしょう」と聞いた。主人は「なるほど重くなりますな」と答える。先生はなお同じように撫でおろし、撫でおろし「だんだん重くなりますよ、ようござんすか」と云う。主人もその気になったものか、何とも云わずに黙っている。同じ摩擦法はまた三四分繰り返される。最後に甘木先生は「さあもう開きませんぜ」と云われた。可哀想に主人の眼はとうとう潰れてしまった。「もう開かんのですか」「ええもうあきません」主人は黙然として目を眠っている。吾輩は主人がもう盲目になったものと思い込んでしまった。