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Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

それだから俗人はわからぬ事をわかったように吹聴するにも係らず、学者はわかった事をわからぬように講釈する。大学の講義でもわからん事を喋舌る人は評判がよくってわかる事を説明する者は人望がないのでもよく知れる。主人がこの手紙に敬服したのも意義が明瞭であるからではない。その主旨が那辺に存するかほとんど捕え難いからである。急に海鼠が出て来たり、せつな糞が出てくるからである。だから主人がこの文章を尊敬する唯一の理由は、道家で道徳経を尊敬し、儒家で易経を尊敬し、禅家で臨済録を尊敬すると一般で全く分らんからである。但し全然分らんでは気がすまんから勝手な註釈をつけてわかった顔だけはする。わからんものをわかったつもりで尊敬するのは昔から愉快なものである。――主人は恭しく八分体の名筆を巻き納めて、これを机上に置いたまま懐手をして冥想に沈んでいる。

ところへ「頼む頼む」と玄関から大きな声で案内を乞う者がある。声は迷亭のようだが、迷亭に似合わずしきりに案内を頼んでいる。主人は先から書斎のうちでその声を聞いているのだが懐手のまま毫も動こうとしない。取次に出るのは主人の役目でないという主義か、この主人は決して書斎から挨拶をした事がない。