Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

音楽会などへ行って出来るだけ熱心に聞いているが、どうもそれほどに感興が乗らない」と東風君はしきりに羨やましがっている。

「乗らない方が仕合せだよ。今でこそ平気で話すようなもののその時の苦しみはとうてい想像が出来るような種類のものではなかった。――それから先生とうとう奮発して買いました」

「ふむ、どうして」

「ちょうど十一月の天長節の前の晩でした。国のものは揃って泊りがけに温泉に行きましたから、一人もいません。私は病気だと云って、その日は学校も休んで寝ていました。今晩こそ一つ出て行って兼て望みのヴァイオリンを手に入れようと、床の中でその事ばかり考えていました」

「偽病をつかって学校まで休んだのかい」

「全くそうです」

「なるほど少し天才だね、こりゃ」と迷亭君も少々恐れ入った様子である。

「夜具の中から首を出していると、日暮れが待遠でたまりません。仕方がないから頭からもぐり込んで、眼を眠って待って見ましたが、やはり駄目です。首を出すと烈しい秋の日が、六尺の障子へ一面にあたって、かんかんするには癇癪が起りました。上の方に細長い影がかたまって、時々秋風にゆすれるのが眼につきます」