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Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

「なかなかでもいいから早く買うがいい」

「かしこまりました。それで金善方へ来て見ると、店にはランプがかんかんともって……」

「またかんかんか、君のかんかんは一度や二度で済まないんだから難渋するよ」と今度は迷亭が予防線を張った。

「いえ、今度のかんかんは、ほんの通り一返のかんかんですから、別段御心配には及びません。……灯影にすかして見ると例のヴァイオリンが、ほのかに秋の灯を反射して、くり込んだ胴の丸みに冷たい光を帯びています。つよく張った琴線の一部だけがきらきらと白く眼に映ります。……」

「なかなか叙述がうまいや」と東風君がほめた。

「あれだな。あのヴァイオリンだなと思うと、急に動悸がして足がふらふらします……」

「ふふん」と独仙君が鼻で笑った。

「思わず馳け込んで、隠袋から蝦蟇口を出して、蝦蟇口の中から五円札を二枚出して……」

「とうとう買ったかい」と主人がきく。

「買おうと思いましたが、まてしばし、ここが肝心のところだ。滅多な事をしては失敗する。まあよそうと、際どいところで思い留まりました」

「なんだ、まだ買わないのかい。ヴァイオリン一梃でなかなか人を引っ張るじゃないか」