Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

「タイムスの百科全書見たようですね」

「タイムスはたしかだが、僕のはすこぶる不慥だよ。これからがいよいよ巧妙なる詐偽に取りかかるのだぜ。よく聞きたまえ月十円ずつで六百円なら何年で皆済になると思う、寒月君」

「無論五年でしょう」

「無論五年。で五年の歳月は長いと思うか短かいと思うか、独仙君」

「一念万年、万年一念。短かくもあり、短かくもなしだ」

「何だそりゃ道歌か、常識のない道歌だね。そこで五年の間毎月十円ずつ払うのだから、つまり先方では六十回払えばいいのだ。しかしそこが習慣の恐ろしいところで、六十回も同じ事を毎月繰り返していると、六十一回にもやはり十円払う気になる。六十二回にも十円払う気になる。六十二回六十三回、回を重ねるにしたがってどうしても期日がくれば十円払わなくては気が済まないようになる。人間は利口のようだが、習慣に迷って、根本を忘れると云う大弱点がある。その弱点に乗じて僕が何度でも十円ずつ毎月得をするのさ」

「ハハハハまさか、それほど忘れっぽくもならないでしょう」と寒月君が笑うと、主人はいささか真面目で、

「いやそう云う事は全くあるよ。僕は大学の貸費を毎月毎月勘定せずに返して、しまいに向から断わられた事がある」