Japanische Klassiker mit Furigana
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るそんのつぼ
呂宋の壺
久生 十蘭
Lesen Sie 呂宋の壺 (るそんのつぼ) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.375 Zeichen · 36 Bildschirme
李旦は、この節、和蘭とイスパニヤ、ポルトガルの折合いがつかず、双方の船が行き合うと、かならず、どちらかが射ちかけ、積荷を奪ったあげく船を沈めるという風儀で、平穏無事な航海はいたって少ない。あなたはたくさん銀を持っていられるようだから、心得までに申しあげるのだが、フレガタ船に追いかけられて船を押えられたら、逆らっても無駄である。観念して、奪るだけのものを奪らせれば、命だけは失わずにすむ。見受けるところ、剛気なご人体だが、力をたのむものは、とかく大怪我をするものだから、私の忠言をお忘れないように、というようなことをいった。
呂宋の涯へ壺を探しに行く苦労だけでもたくさんなのに、そんな目にあうのではたまったものではない。それにしても、見栄のしない陶物の壺を買うのに、どうして千貫もの銀が要るのか、納得できない。銀六十匁一両換えとして、千貫といえば一万七千両……三百九十人乗りの御朱印船を新造しても、十五貫とはかからない。長さ二十間、幅九間の大船一隻が二百五十両で、掌で支えられるような葉茶壺が一万七千両もするというのは、どこかにまちがいがあるのにちがいない。