Japanische Klassiker mit Furigana
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わし
和紙
東野辺 薫
Lesen Sie 和紙 (わし) von 東野辺 薫 (とうのべかおる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.557 Zeichen · 70 Bildschirme
もっともそうは言い条、異性との交渉を微塵も持たずに征く木石の淡白さが、男性としての慕わしさに崇められる心をも、としゑは胸のどこかにひそめてはいるのだった。
「昨夜よっちゃんとも話したんですの。」
としゑが笑いながらそのことを言うと、んだかな、しかもさっぱりしていいと思うがなと友太も応じた。
「何せ俺は、惣吉みてえに、いい娘っ子が掴めなかったでな。」
友太には珍しい冗談だった。
「でも、誰か一人はいるかもわかんないわ。」
勢いで、としゑにもつい言わずにはいられなかった揶揄が口をついた。俺にかと、たじろがずには言ったが、内心すぐ思い当るもので友太はさすがに眼をそらした。それ以上続けたら、拾収のつかないことになりそうだった。
「お前らは暢気だで。今の俺は女の話どころでねえでな。」
それはわかってますわという声を背に靴の紐を結びながら、昨日彼の応召を知ったユミが、思い迫った顔でそっと土間に立った姿を思い浮かべてみた。ユミ、と、友太が一言呼びかけたら、さっと涙がにじんで来そうな瞳であった。良三郎君のところへは来なかったかやと、それはむしろ自分自身をぴしりと鞭つ言葉を咄嗟にかけて、みるみる冷たく褪せる相手の頬の痙攣をもはっきりと胸に感じた。